声のした校舎の端の方を思わず振り返ると
茂み越しにスラッと立っている男子生徒と、
細い脚がよく見える短いスカートとソックスを履いた女子生徒が
向かい合っているのが見えた。
はわわ、告白現場ってやつだ。
すぐに状況は理解できたものの怖いもの見たさのような感情のせいかその場から目を逸らせない。
……って、まさかの相手は結城くんじゃん。
片方でも知っている人ということもあり
思わず興味本位で茂みの影に隠れながらも女の子の背中越しに現場を覗く。
他人事でも恋愛の一大イベントに立ち会ってしまったことと潜まないといけないこの状況に勝手に私が緊張して呼吸が浅くなる。
なんて返事するんだろう。
そういえば結城くんって彼女いるんだっけ?
相手の子、顔は見えないけど、髪型も気合入ってて可愛いな。
勝手に覗きながらそんなことを考えていると
「意味が分からないんだけど……」
少し聞き取りづらかったけど、
結城くんがいつも通り平坦な様子でとんでもないことを言い放つ。
え、えぇー……。
ここからではそれぞれの表情をはっきりとは見えないから細かな雰囲気はわからないけど、
聞き間違いでなければ私もドン引きレベルの拒絶反応、よね。
返事を聞いた子も思わず俯き、立ちすくんでしまっている。
告白され慣れてる人からしたら、またか、という感じなのかもしれないけども。
漫画でもこういう展開たまにあるけど、
せっかく勇気を出して告白した側に思いやりなさ過ぎて私が苦手なシーンの類だ。
結城くんってやっぱり他人を寄せ付けない感じが強いのかも。
予想以上の結城くんのクールっぷりに驚いて未だ現場から目が離せず、
例えばああいう人が実は主人公だけは溺愛しているとか優しいとかよくあるけど
現実はそうもいかないか、と首を横に振った。
その瞬間
……――っ!!
結城くんと目が合っちゃった?
首を振る私の動作が大きすぎたのか恐らくこちらに気づいてしまったんだろう。
うわ、気まず……!
私はさも今偶然通ってしまっただけと誤魔化すようにそそくさとその場を後にする。

