「――って感じで、しばらく‟俺様系”が好きだったんです!」
これ以上昼休みについての話題が続かないように
結城くんの視界から無くすため一旦単行本たちを太ももの上に乗せる。
誤魔化せたかなぁ?
結城くんの様子をうかがうと、
「……‟俺様系”?」
昼休みのことは全く気にも留めていなかった。
こんなに意識しちゃってるの私だけか……。
気まずくならないのは嬉しいような、
1人だけ恥ずかしがっているのは空回りのような。
「あぁ、うん、出てくる男の子の性格をジャンル分けしてるっていうか――」
俺様系はいつの時代でも人気で、
特に最近は何作品も実写映画化する作品があったりして
実際私も好きでこのジャンルのタイトルはたくさん持ってる。
「へー……」
結城くんの少し薄い反応に
男の子の結城くんには男性の性格を属性やジャンルに分けるみたいなことは
確かに馴染みないだろうな、なんて。
特に優しい系とかインテリ系とかに比べて
俺様な性格の人なんて現実ではレアというか。
「その『ジャンル』っていうのは他に何があるの?」
ピンときていないだろうに、
勤勉な姿勢の結城くんに思わず指南する態度になってしまう。
「そうだなー、私が勝手に言ってるだけのものもあるんだけど、
穏やかそうな、優しい系とかおっとり系とか。
元気系、しっかり者系とか……」
頑張って頷いてくれるけど、
私の感覚的な話でもあるしわかりづらいよなぁ。
そうだ、自分の事だったら、分かりやすいかな?
「例えば、結城くんは――クール系イケメンかな!」
「クール…?」
余計に不思議そうな表情になってしまった。
そ、そっか……。
自覚がなくちゃピンとこないか。
「俺の性格は、クール、系?」
なんてつぶやいている様子に
思わず可愛いと思ってしまう。
結城くんの場合は天然男子でもあるからな。
ぱっと見クールだけど、実は感情表情が柔らかいから心臓に悪いんだよね。
そして、そもそものイケメン度が高すぎる!
整った鼻筋に切れ長の瞳、
程よく血色のいい唇。
パーツ一つひとつが目立つというよりバランスがとれていて、
所作も含めて上品で見惚れてしまう。
気付くと、横の席の女性2人組もちらちらと彼を見ている。
おしゃれな髪色にネイル、この時間に私服ってことは大学生かな。
そんな大人っぽい人から見てもやっぱり結城くんは魅力的なのか。
その女性たちからのだけじゃなくて
目の前の私の視線にも気づいていない結城くんに何故かモヤっとしてしまう。
本当に私って結城くんの彼女なのかな……
――なんて、
好き合ってるわけじゃないんだから私にこんなこと思う権利はないのに!

