結城くんと青春したい!



「……囲まれてるね」

瑠宇が淡々と状況を口にすると

何あれ?と楓花の表情が鋭くなった。


「あぁ、あれねー……」


なぜか結城くん、最近前にも増してあからさまモテるように。

たまに一緒に帰る日なんかも
私が横にいようがお構いなしによく女子に絡まれている。


この前は体育の時、
『俯く表情』もかっこいいなんて合同で授業受けてた他のクラスの子に言われていた。

あれはきっとその時4時限目だったからお腹鳴らないか心配していたんだろうけど、
クールなイメージが定着していて
そんなことを考えているなんて誰にもバレていないことを内心微笑ましく思ったりもしていた。


「なんか笑ってるけど、彼女の余裕ってこと?」

体育の時のことを思い返して無意識に口角が上がっていた私に
栞がずいっと一歩詰めてきた。

変なタイミングで笑っちゃったな。
私は慌てて否定する。

「え!違うよ!てか余裕なんて――」

「ないよね、だってあの子たち真緒が彼女だって知った上で
『自分の方がいける』って思って近づいてるもん」

言いかけたところに楓花が言葉を被せた。

ひどい!でも否定できない!

「恐らくそうなんだよねー」

薄々勘づいていたけど、
誰とも付き合わないと思っていた、
もしくは人知れず敵わないほどの美人と付き合っていると思われていた結城くんが

私みたいなのとつい最近付き合い始めたとなって、
急に周りが猛プッシュを始めたパターンなんだよね……。

「やば、真緒舐められすぎ!!」
なんてみんなが私を見て笑ってると
なんとか囲みを抜け出した結城くんがそのままこちらに向かってきた。

「お、あの子たちにちゃんと真緒と付き合ってるからって言ってくれるんじゃない?」

栞の予想に
いやいや、なんて否定しておきながら
結城くんはやりかねない、とドキドキしていると

「松田(まつだ)さん、ちょっと今いいかな」


なぜか私たちの目の前まできて、
楓花に声をかけた。

「私……?」「うん」

そのまま2人で教室の後ろの誰も机を使っていないゾーンへ。


「なんで楓花?」
「さあ……」

数分して戻ってきた楓花に聞くと、
さっきまで出席していた委員会のことが結城くんと委員会と関係あったみたい!

結城くんが廊下の方で囲まれてたのも
楓花の委員会と同時にどこか別で結城くんの委員会も集まってたからかな?

ん、楓花は保健委員だけど、
結城くんは何委員さんだっけ??