結城くんと青春したい!



人気のないところを探そうとしてひとまず足を進めると
意図せず昨日の告白現場だった近くへ着いてしまった。

結城くんも気づいたようでまさに昨日彼が立っていたところへ目をやっている。

思わず「今までの告白も昨日と同じように断ってきたの?」と聞くと

少し考えて「そう、かもしれない」と返ってきた。


「‟かも”?」

「……そもそも中学の時は男子校でそういうのなかったから。

高校に入って去年に関しては、
今思うとそういう機会が幾度かあったんだろうけど
俺自身告白されてる自覚がなくて――」


私を聞きながらもちょうどここから後数歩のところにあるベンチが空いていたのを見つけ
ここで食べよう、と促す。

「いただきます」
お弁当を広げ食べ始める私と

「……いただきます」
とはいったものの少しふさがった表情でさっきの話を続ける結城くん。


自分が告白されているとはわからず
状況を理解できなくて無言でいたり説明を求めると、
いつの間にか相手がショックを受けたような反応になったり
『冷たい』とその後急に避けられたり、

「何か誤解があったんだろうなと弁解しようとしても
話が通じていないような感じで……。

しかもそういう時って本人に話しかける前に、
その子の友達に『もう放っておいて』ってよく言われたりするから」

「ふむ、そっか」

話を聞きながら
今日のお弁当がサンドイッチだったためラップを外していく。

「でもさ、『付き合って』って告白文に
『好きです』って感情表現が含まれていたのもあったと思うけど
それでも相手の目的はわからなかった?」

なんて、純粋な疑問をぶつけてみる。

それを聞いて少し返事に悩んだようになりつつも結城くんがこたえてくれる。

「好いてくれてるのと、『付き合う』が俺の中では全然イコールで繋がらなかったんだよね。

そもそもすべてが直接伝えてもらったわけじゃないから
そういう時は好意にも気付かなくて、
後から‟あれはもしかして”ってなって、

これは……なんていうんだろう、えっと――」

「直接的ではなくて醸し出す、匂わす、みたいな?」

「あ、うん、そんな感じ」

メッセージアプリのクラスグループから追加されてメッセージが送られてきたり
手紙をもらうってこともあったようで、

それも本人的には無視しない程度にコミュニケーションをとったつもりみたいだけど、
詳しく話を聞くと

好きな人はいるか、というメッセージに
「何故それを聞くの?」と返事したり

手紙には「ありがとう」というだけで
内容に言及しなかったようで、

それを言外に「振られた」と周りが解釈して、
しかもその時の態度やテンション的に『冷たい』って印象を持たれてしまって……
という事なんじゃないかと予想。

それを聞いて思ったけど、
これって本人が‟あれは告白だったって”自覚している場合でこのエピソード数だから
実はノーカウント扱いされてる告白未遂もまだまだあったかもってことだよね。


「ん、じゃあなんで後からでも
あれは告白なり好意の匂わせだったかもって気づけたの?
当時はその場では気付かなかったことが多数ってことだけど」

そう聞くと
結城くんはぐっと息を詰まらせてこちらを向いた。