結城くんと青春したい!



「まーおー……!」

「えっ!なに!」

4時間目の移動教室のために廊下へ出ると
これまでの休み時間では放っておいてくれた3人がここぞとばかりに近づいてきた。

「やっと聞ける!」
「朝の、どういうことか教えてよ」

まぁそりゃそうなるよね。

桐島のアドバイス通り、本当のことは言わないように
さっきの数学の授業で考えた言い訳を使う。

「……実は言ってなかったけど内心いいなと思ってて、

昨日日誌書くために教室残ってたら話す機会があって、

みんなにももっと積極的にいけって言われたから
私も告白してみたらOKもらえたんだよ」

多分違和感ないだろう。

恐る恐るみんなの反応をうかがうと

栞と瑠宇はすごいじゃん!と拍手してくれた。

楓花にだけは「積極的になれとはいったけどそれですぐ告白……?」と少し怪しまれてしまう。

「本当に、いいなあと思ってたくらいだからさ。
でも昨日実際に他の子も告白とかしてて、
彼女いるのかなとか急に気になったから勢いでね!」と誤魔化す。

そこまで事実ともかけ離れてないから結構信ぴょう性あるんじゃないかな。

「今日からは真緒とも恋バナが出来るじゃん楽しみ!」と嬉しそうな栞。

この後の昼休みにどうやって告白したか詳しく教えてと言われて、
選択授業のため美術の私と楓花、音楽の栞と瑠宇に分かれた。

美術室への道のりになり少し前の方を結城くんが歩いているのに気づく。

今まで興味なくて知らなかったけど結城くんも美術にしてたんだな。

普通のペースで歩いている私たちは
人に囲まれてゆっくりしか歩けない結城くんとその周りの人たちに追いついてしまった。

「うわ、なんか囲まれてるし」
楓花が人だかりに面倒くさそうな顔をする。

廊下がふさがれてしまっていて追い越せないので
大人しく後ろをとぼとぼ歩いていると

「いつから瀬崎さんと付き合ってたの」なんて聞かれていた。

「……昨日から、だけど」

いっきに周りのざわつきが増す。

「え!昨日!?」
「瀬崎さんのこと元々好きだったってこと!?」

それを聞いた結城くんのキョトンとした顔に嫌な予感がして急いで近づく。

「いや、それは――」
何かを言いかけていたところ

「結城くん!!!」と呼びかける。