「はい、じゃあホームルーム終わります」
先生の締めの言葉と同時に返事が来る。
『ぱっと読んだだけじゃよくわかんねぇけど、
朝結城のファンみたいな女子とかかなり様子見に来てたし
好き同士じゃないとか言わない方がいいんじゃないの』
確かに。
昨日お店の外でぶつかった子みたいに、
自分は振られたのに
好き同士でもないのに付き合ってる女子がいるなんて知ったら
より深く傷つけちゃうよね。
桐島ってやっぱり状況把握がうまいというか。
クラスで話し合いするときも
表立って発言するタイプじゃないのに最後に
みんなの散らかった意見の大事なところをまとめたりできるんだよね。
感心して桐島に目を向けるとこっちを一瞥し
そのまま席を立って廊下へ向かってしまった。
やっぱりなんか怒ってる?
そのまま背中を目で追っていると視線を感じてそっちを見る。
結城くんと目が合って何かの動きをしているためよく見てみると
彼は自分が持っていたスマホを指さした。
ん?どういうこと?
意図を図りかねてると
桐島のメッセージを読んで手に持っていたままだったスマホが震えて画面を見る。
『ぺこり』
湯呑型のキャラクターがお辞儀しているスタンプが通知画面に表示される。
さっき言ってた、お兄さんに買うの手伝ってもらったスタンプか!
言ったら悪いかもだけど、あんまり可愛くない……。
「ぷっ……」
思わず笑いそうになって抑える。
スマホ見てひとりで笑ってるなんて怪しいもんね。
でも一生懸命調べて買ったのかなと思うと笑ってるのがバレないようにすることで必死だった。

