結城くんと青春したい!



入店すると注文より先に空いていたテーブルを見つけて席に鞄を置く。

周りを見渡しながらも私の後についてきて向かいの席に手をかけた結城くんに

「結城くん何頼みますか?」

スマホでアプリからクーポンを探しながら声をかける。


「えっ……と、瀬崎さんは?」

なぜか少し焦り気味の様子を不思議に思いながらも

「うーん、アイスティーと、クーポンあるからアップルパイ食べようかなって」

クーポンの一覧をスクロールしながら答える。


「じゃ、じゃあ俺も、アイスティーにする」

言葉に詰まるなんて、急かしちゃったかな?

「クーポン見る?」とスマホを渡そうとすると

「あ、いや、平気っ……

……ごめん、俺こういうお店イートインで食べるの初めてで」

少し照れたように目線を落とす仕草がイケメン過ぎて

一瞬ドキッとしたけど、

ファストフードのお店初めてって、今どき本当?

「も、持ち帰り、はしたことあるんだけど……!」

恐る恐る私を見る様は小動物のようで。

とにかく色々新鮮すぎる……!


見惚れかけていたところをハッとして

「じゃあ、私のと一緒に注文してくるよ!」

結城くんには席で荷物を見てもらうことを頼んでレジへ向かう。


結城くんのどこか浮世離れしているような印象は

あながち間違いじゃなかったんだ……。


うちの高校や近くの学校の制服姿で賑わう店内を歩いて

レジに並んでいると
「今の人めっちゃイケメンじゃなかった?」

なんて、私たちの席より奥から歩いてきた
他校の女子たちがテンション高めに話していた。

……結城くんのことかな?


改めてすごい人と放課後のお茶してるな私……!


注文が終わって呼ばれるのを待ちながら

ふと結城くんの方を見ると

新鮮そうに店内を見渡していて、目が合う。


向こうも気づいたみたいで、

まっすぐ見ていたからこそわかったくらいほんのりにこっとする。


それと同時にレシートの番号が呼ばれて

ドリンク2つとアップルパイが乗ったトレイを慌てて受け取る。


あぁ、顔が良い!!なんて心の中で叫んでから

冷静を装って席に戻ると、

「あ、ありがとう」

と肩をぴくっとさせながら

結城くんはドリンク代を私に差し出した。


それを受け取って席につく。

「とりあえずミルクとガムシロ1つずつ持ってきたんだけどいる?」

「あ、俺、えっと……」

言いづらそうな様子に

「いらなかったら私甘いの好きだから2つ使うよ!」

そう伝えると安心したように「どうぞ」と頷いた。