モーブさんとラピスさんのお墨付きをもらったので、今日のランチから『魚のアラの味噌汁』が登場しました。
「頭の部分を入れると見栄えがするし、尻尾のところを入れるとなんか面白い感じがしません?」
 という私の提案が通り、ほんとに余すところなく魚を活用できました。見た目のインパクトも相まって、アラのお味噌汁は大好評でした。次から次へと注文が入り、ラピスさんもモーブさんも大忙しです。しかし、どんなに忙しくてもホールは手伝えない私。できることはモーブさんを手伝って、調理のスピードアップを図ることくらいです。
「具材……裏庭にあるから、取ってきて!」
「了解!」
 モーブさんの指示に従って裏庭に出ると、そこでアスターが遊んでいました。砂遊び? 山でも作ってるのかな?
「上手だね〜。大きなお山だ」
「うん」
 健気に一人遊びする姿に涙が出そうです。お利口に待ってるアスターに、何かご褒美あげたいけど……あ、そうだ。
「今は忙しいからもうちょっと待ってて。お仕事終わったらお菓子を作ってあげる」
「ほんと!?」
「うん。ママはまだ忙しいけど、私は料理が終われば暇だから」
「わかった」
 ラピスさん似のアーモンドアイを細めてにっこり笑う顔のかわいいこと! おねーちゃん、腕によりをかけてお菓子作るから、待っててね!