「ナツキ、けっこう飲んでる?」
「うーん。
今日、うちの店のナンバー3のバースデーイベントだったから。
タワーだ一気だで、けっこう飲んだ。
久し振りに会うのに、こんなベロベロでごめんね」
本人が言う程、ナツキは酔っているようには見えない
お酒の匂いは、凄いけど
「ううん。
帰って来てくれて、嬉しい」
「未央が来てるから、そりゃあ帰って来るでしょ。
会いたかったし」
そうやって嬉しい言葉を言ってくれるけど、
この人はホストだからこんな言葉くらい簡単に誰にでも言っちゃうんだろうな
でも、言葉はそうやって簡単に言えるけど、実際にこうやって帰って来てくれるって事は、
ナツキに私はそれなりに好かれてはいるのだろうな
客でもない私に、こうやって会ってくれるのだから
ただ、ナツキのその私に対する好意が、
恋とか愛ではないのかもしれないけど
「でも、会いたかったし、とか言うわりには、
ナツキはLINEとかしてくれないよね?
いつも私から連絡してるし」
そう口にして、やはりナツキの私に対する好意は恋や愛ではないのだと思った
恋や愛なら、いつも相手に関わりたいと思うものだから



