私は体ごと、ナツキにゆっくりと近づいた
ナツキはそんな私を、
ただ真っ直ぐと見ている
私はナツキの頬に手でそっと触れると、
顔を近付けてナツキの唇に自分の唇を重ねた
暫くして唇を離すと、
ナツキは変わらず私を真っ直ぐ見つめたまま
「ナツキはきっと何もしないと思ってたから此処に来た。
だけど、今はもしナツキと何かあっても、私は嫌じゃないから!」
自分の母親と寝た男だと知りながらも、
私はナツキが嫌いとか、
気持ち悪いとか思えない
むしろ、怖いくらいに惹かれている
もしかしたら、ナツキを好きになってしまうんじゃないかって、怖くなる
「俺、本気で何もする気無かったんだけど‥‥」
ナツキは私の頭の後ろに手を伸ばすと、
そのままグッと私を引き寄せた
そして、私がしたよりも強く唇を重ねて来る
啄むように何度も唇を重ねられた後、
口内にナツキの舌が入って来る
「ん‥‥」
息をするのがやっとで、
ナツキにしがみついてしまう
ナツキはそんな私の体を強く、
抱き締めて来た
暫くして、ナツキは唇を離すと、
すぐに私の肩に顔を埋めた
「流石に、これ以上高校生に手を出すのは辞めときますか」
どんな表情をしているかは分からないけど、
その声は、先ほど感じた私を拒絶するような感じではなかった



