「俺、待ってた。
未央がこうやって俺に会いに来てくれるの。
こうやって、有無も言わさない感じで、俺の事を自分の物にしてくれるのを」


そう言ったこの人に、



「あ、そうだ」


そう言って、私はスカートのポケットに入れていたネックレスを取り出すと、

それをこの人の首に付けた。



「えっ」

と、戸惑っている彼に。


「これ、首輪代わりに。
二度と、私から逃げないように」



そう言って、私は彼の首に付けたクロムハーツのネックレスを見た。


にしても、ナツキに似合いそうだと選んだそれは、
今のこの人に全然似合ってなくて。


うーん、って感じ。




「なんか、すごい怖いんですけど」



そう苦笑している彼に。



「また私から逃げたら、それがこの世の果てでも、
あの世でも追って行くから」


「もう逃げないって」


そう柔らかく、笑う。