「遠いのもあるが、この高校からS大受けた生徒なんていない。
この辺りの同じレベルの大学ですら、ここの生徒で受かるわけなんてない!
安達がこの学校では、学力は上位だけど、
だからって、なんとかなる大学じゃない。
無茶するな!
妥当な所を受けておけ。
在学中資格さえ取れば、それなりに就職も出来るだろうし」


そう捲し立てる松永先生は、真剣で。


そこまで反対されるとは思わなくて、
困ってしまう。



「私には、絶対無理ですか?」



「ああ。
浪人しても難しいだろう」




浪人は考えていない。


現役で合格するのも、父親から出された条件だから。


「無理でも、受けさせて下さい!」


本気なのだと、松永先生の目をじっと見た。