次にナツキに会ったのは、ナツキの休みの日。


一週間振り。


その間、LINEで連絡は取り合っている。


昼夜逆転しているナツキと学生の私は生活のリズムが違うから、
電話で話したりは出来ないでいるけど。


「ナツキ!」


学校が終わり。


待ち合わせのM駅の大きな本屋の前に居るナツキを見て、
その名を呼び駆け寄る。


自分でも分かるくらい、全身からその喜びが溢れていると思う。



「未央」


そうはにかんで笑うナツキの顔を見て、
私の方がさらに笑顔になってしまう。



「制服じゃないんだ?」


「そう」


事前に今日はナツキとデートと分かっていたので、
私服を持って来ていた。


制服はその私服を入れていたエコバッグに入れて、持っている。



「けど、リュックなんだ?」


私の通学用に使っているリュックを見て、
ナツキは少し苦笑している。


確かに、少し大人っぽい格好して来たけど、
このリュックのせいで子供っぽくなるもんね。


「行こっか」



ナツキは自然と私のその制服の入ったエコバッグを手にして、
空いた私の手を握る。



そのスマートな感じ、
やっぱりホストなんだな、と思ってしまった。