「そう?
じゃあ、これはぶっ壊したビデオカメラ代って事で」


「こんなにしませんよ。
それに、そろそろ買い換えようと思っていたので、壊してくれてちょうど良かったくらい」


「ふーん。あっそ。
なら、この金は未央にあげる」



「えっ?」



「はい」 


ナツキはその札束を掴み取り、私に押し付けるように渡して来る




どうしよう?


とりあえずこの場では受け取って、
後で返そう



「じゃあ、俺達はこれで」


ナツキは私の手を握り、松永先生の部屋から私を連れ出す


終始冷静だったナツキだけど、
実は怒っていたのだと、その私の手を握る強さで気付いた