店を出ると、地上に上がる階段がある
「未央ちゃん、フラフラしすぎ。
足元危ないから気を付けて」
「分かってる」
分かっているけど、
足が思うように動かなくて一段一段、階段を上るのもやっと
そんな私を、ナツキは黙って支えてくれる
なんとか地上迄階段を上り終えた
「高校生がお酒なんか飲むから」
そのナツキの言葉に驚き、
思わずナツキから体を離した
「未央ちゃん高校生でしょ?
高校生がお酒なんか飲んだらダメなんですけど」
私、ナツキに高校生なんて言っていない
ってか、年齢すら訊かれてないし
それに、もし訊かれてても、
バカ正直に高校3年生で、
最近18歳になったばかりだとか言わないだろうし
流石に、高校生が飲酒したらダメな事くらい私だって分かるから、
適当に二十歳だとかなんとか嘘付くだろうし
もしかして、ケンタには私年齢とか言ったのかな?
酔ってて、あまり記憶がない…
だとしても、ケンタからナツキにいつ伝わったのか…
「なんで高校生なのが分かったか不思議そうな顔してるけど、
職業柄、見たらある程度年齢とか分かるし。
未央ちゃんが、高校生のお子様だって」
「高校生はお子様じゃないし!」
そう言い返してしまう所が、
お子様なのかもしれないが
「はいはい。そうですね」



