白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~



 思わず絶叫しながら、謎のイケメンから飛び退いてしまう私。

 コンレイって、まさか本当に「婚礼」だったの!?


「どうしたの、大きい声を出して」


 謎のイケメンは、突然叫んだ私をさも不思議そうに眺める。

 いや、だってさ!

 いきなり結婚だとか言われても!

 私まだ中学生だし!?

 それよりもあなた一体誰!?

 なんてことを胸の中で思う私だったけれど、うまく言葉にできずに口をパクパクさせてしまう。

 すると、その時だった。

 ドンガラガッシャーンという、けたたましい音が響いてきた。

 そのすぐ後に、お父さんの「わー、お待ちを!」なんていう叫び声も聞こえた来た。


「な、何!?」


 驚いて身構える私。

 黄金の猫じゃらしが奉納されている本殿の方から、音がした気がするけど。

 すると、謎のイケメンが呆れたようにため息をついた。


「あーもう。あいつは本当にせっかちなんだから……」

「あいつって?」


 彼は、さっきの謎の音に心当たりがあるような口ぶりだ。

「いや、たぶん俺の連れがなんかやらかしたんだよ」

「え、連れがいるの!?」