白猫王子と俺様黒猫～猫神の嫁なんてお断りですっ！～

「とりあえず佐助を人間にして会わせてあげればいっかなーくらいに思ってたけど、そんな簡単な話じゃなかったんだねえ。猫神候補としてまずったなあ」

「私も、あまり深く考えてなかったよ……」


　佐助が人間になったことでテンションが上がっちゃって、とにかく早く華ちゃんに会わなきゃ！と私も突っ走ってしまった。


「明日また、佐助を人間にして華ちゃんに会ってみよう。今日のことはとりあえず謝ってさ」

「……うん」

「でも、人間にする術は何回もやると猫の体に負担になっちゃうんだ。できればあと一回にしておきたいね」

「あ、そうなんだ」


　毎日佐助を人間にさせて華ちゃんと会わせてあげたらいいんじゃない？って思ってたけど、やっぱりそういうわけにはいかないんだね。

　でも、もちろんこのまま放っておくわけにはいかないので、明日また華ちゃんのところに行くっていう白亜の意見には賛成だ。

　だけど、佐助の「華に元気になってもらいたい」という願いを叶えるためには、華ちゃんになんていう言葉をかけたらいいのか、まったく見当が付かない。

　困ってしまった私が黙っていると。