白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 やっぱり、挫折しかけているらしい歩くリハビリについて、佐助に言われたからかな……。


「しないの? 練習」


 黙ってしまった華ちゃんに向かって、佐助が再び尋ねる。

 猫だからか、人間だったら言いづらいこともオブラートに包まないで言ってしまうんだろう。

 すると華ちゃんは力なく笑った。


「したんだよ? 歩く練習。私だって歩けるようになりたいもん。結構頑張って、やったの。でも最近はお休みしてるの」

「どうしてだ?」


 間髪を入れずに尋ねる佐助。

 華ちゃんはしばらく黙った後、弱弱しい声でこう言った。


「だってすぐに転んじゃうし、腰も痛くなるし……。痛みばっかりで、全然歩けるようにならないの。立つのだって難しいんだ。頑張っても歩けるようにはならないんじゃないかって、最近ではそう思えてきちゃって」

「……お医者さんは、なんて言っているの? 頑張っても歩けるようにならないかもって言ってたの?」


 気になった私がそう尋ねると、華ちゃんは首を横に振った。