白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 かわいらしいその姿にしばらくの間癒されていた私だったけれど、気持ちよく眠っている二匹を見ているうちに、私も眠くなってきて――。

 私は段ボール箱の隣で、うたた寝してしまった。





 頭を誰かに撫でられた。

 その上、その人は私に膝枕までしてくれているみたいだ。

 え、誰?

 お母さん?

 小さい頃は確かに、昼寝をしたらそんなこともあったけれど……。

 私、もう中学生だよ?

 そんなことを考えながら、私は目をこすって身を起こす。


「ふあ……。お母さん、私もう小さい子供じゃないって……」


 あくびをしながらそう言って、私は薄目を開ける。

 すると、ぼやけた視界が映したのは、見慣れたお母さんの姿じゃなかった。

 ――え?

 誰?

 見えたのは、真っ白な髪にキラキラとした青い瞳。

 お母さんと似ても似つかない特徴に、驚いた私の眠気は吹っ飛ぶ。

 私が目を見開いて、その人物を見つめると――。


「おはよう。やっと起きたね」


 にこりと微笑んで、爽やかなイケボで彼は言った。