白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

「じゃ、早速華ちゃんのところへ行こうよ。佐助もずっと人間になっていられるわけじゃないからね。一定時間が経つと術が解けちゃうんだ」

「あ、そうなんだね。じゃあ佐助、華ちゃんがいるところに案内して!」

「うん、わかった」


 そんな会話をして、私と白亜、佐助は神社を出て華ちゃんの元へと向かった。

 黒霧は寝そべったまま動かず、ついてこなかった。





 佐助に案内されて、いつも華ちゃんが散歩しているという、神社近くの川沿いに三人で来た。


「だいたい、この時間にはいるはずなんだけど……」


 佐助はきょろきょろと辺りを見回し、華ちゃんの姿を探す。

 私と白亜も女の子の姿がないか見渡すけれど、見つからなかった。

 そんなことをしながら、私はふとあることに気づいた。


「あ、華ちゃんを見つけた後なんだけどさ。いきなり人間の姿の佐助が話しかけても『あなた誰』?って華ちゃんが思っちゃわないかなあ」


 私は子猫の佐助が人間に変身したって知っているけれど、もちろん華ちゃんはそんなことを知らないのだ。

 佐助は不思議そうに首を傾げた。