白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 別にそれは人それぞれだし、無理に好きになってもらおうとは思わない。

 だけど、お外で毎日ご飯を探している野良猫や、真冬に寒さで縮こまっている子猫の存在が少しでもなくなればいいなとは思う。

 人間にとっても猫にとっても、住みやすい世界にする。

 きっと白亜の「のびのびと暮らせる猫が増えればな」って、そういうことなんだろう。

 って、白亜の猫神にかける思いはなんとなくわかったけれど、黒霧はどうなんだろう?

 黒霧にもきっと同じような能力はあるんだろうけど、どんな思いで猫神になろうとしているのかな。

 白亜みたいに「人間と猫を仲良しに」っていうタイプではないよね、きっと。

 ちらりと、黒霧の方を見る。

 いつの間にか、黒霧は拝殿の階段の上で寝そべっていた。

 私にも信仰心はないけれど、さすがに罰当たりな……と思った。

 あ、でも黒霧はもう半分ここに祀られている存在のようなものだし、罰当たりではないのかな……?

 なんてことを考えていたら、白亜がこう言った。