白猫王子と俺様黒猫～猫神の嫁なんてお断りですっ！～

　明るい茶髪で、少し釣り目の勝気そうなかっこいい少年だった。

　顔つきは、どことなく猫だった頃の佐助を彷彿とさせる。


「す、すげえ……」


　佐助当人は信じがたいという顔をしながらも、手のひらをグーパーさせたり、頬をつねったりして、生まれて初めて人間になった感覚を確かめていた。


「ね、猫に人の言葉を話させただけで驚きなのに、まさか人間にしちゃうなんて……」

「まあ、俺はいずれ猫神になるんだから。これくらいはできないとね」


　私の言葉を聞いて、どこか得意げな顔をして白亜は答えた。


「ありがとう。白亜」


　面倒をみている佐助の思いを汲んでくれて、私は心から感謝をした。

　すると白亜は、いつものようににこりと微笑む。


「人間と猫を今よりも仲良しにするっていうのが、猫神になった時の俺の目標だからね。もっとのびのびと暮らせる猫が増えればなって思うんだよ。こういうのは積極的に手伝いたいんだ」

「人間と猫を今よりも仲良しに……」


　いい目標だな、と素直に思った。

　私は猫が大好きだけど、愛羅はそうじゃない。