白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

「あーあ。佐助とお話が出来たらいいのに」


 ふわふわの佐助の背中を撫でながら、思わず私がぼそりとそう呟くと。


「できるよ?」

「わっ!?」


 ひとりごとのつもりで言った言葉に、返事が来て私はすごく驚いた。

 いつの間にか、学校から帰ってきたらしい白亜が傍らに立っていた。

 ちなみに黒霧もいたけれど、まだ怒っているのか少し離れた場所でそっぽ向いて立っている。

 く、黒霧のことは後で考えようっと。

 彼のことより、まずは佐助のことだ。


「できるって、どういうこと?」

「だから、そのまんまの意味だよ。佐助とお話、できるよって。俺の神の力で、佐助に人の言葉を話させることができるんだよ」

「えっ。ほんと!?」

「うん、ちょっと待ってね」


 驚く私にそう言うと、白亜は佐助に向かって手をかざした。

 そして、私にはよく聞き取れない呪文のようなものを唱え始める。

 これが神の力ってやつなのかな……?

 佐助は、きょとんとした顔をして白亜を眺めていた。

 ――すると。


「ニャー……。あ、あれっ? 人間の言葉を、俺喋ってる?」