白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 それならそうと初めから言ってよね!……って思ったけど、ふたりからその話を聞いたらしいお母さんが、朝言おうとしてたんだっけ。

 聞いておけばよかった……。

 そうすれば、前もって対策できたのに。

 でも、こうなっちゃったらもう仕方ないなあ。

 正直学校に来てほしくなんかないけれど、すでにふたりのことはクラスでも紹介されちゃったし、学校に来させないってのは難しそうだ。

 と、なると。


「あの……。ふたりにお願いがあるんだけど」

「俺にできることなら、聞いてあげるよ」

「なんだよ?」

「昨日も言ったけど、現代の人間の世界では、中学生で結婚ってあり得ないの。みんな、ふたりが結婚だの嫁だの言うから、すごくびっくりしてたんだよ?」

「確かに……ざわついてたね」

「こんなことくらいで驚くのか? 人間ってやつは面倒だな。俺が猫神になるなんつったら、どんな反応するんだろうな」


 黒霧が不敵に笑いながら変なことを言っているのを聞いて、私は頬を引きつらせた。

 そんなこと言わないで!と言いたいところだけど……。