白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 私はあなた達のせいで生きた心地がしなかったっていうのに……!


「な、なんでふたりは学校に来てるの?」


 ふたりが教室に入って来た時から、ずっと疑問に思っていたことを私は尋ねる。

 だって、ふたりは猫神候補で人間じゃないじゃない……。

 猫か人間かって言ったら、猫の方に近いんじゃないの?

 あれ、でも人間っぽくもなれるし猫にもなれるし……。

 どっちなんだろう?

 うーん、猫の神様候補なんだから、とりあえず猫ってことにしておこうかな。

 どちらにしろ、ここは普通の人間のための学校であって、猫になったり人間になったりする猫神候補が来るところじゃないはずだ。


「ん? だって、そういう決まりだし」


 私の問いに、相変わらず緩く微笑みながら白亜が答える。


「決まりって?」

「あー、なんか猫神は人間のことも知らなきゃいけないから、猫神候補の間は人間として生活しなきゃなんねーんだ」

「そうそう。それで俺たちの年齢を人間に換算すると枝乃と同い年だから、同じ学校に来たってわけ」


 かったるそうに言う黒霧と、説明を補足する白亜。

 そ、そうだったんだ……。