白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 本当にこいつは面倒くさい!


「ダメなもんはダメなの! 学校はそういう場所!」

「硬いこと言うんじゃねーよ」

「そうだよー、結婚するんだから隣が当たり前じゃん」

「そうだそうだ……って、だから枝乃と結婚するのは俺だっつってんだよ」

「ちょっと枝乃? 結婚ってなんなのよ! 一体どういうこと!?」

「だだだだだから、愛羅、違うってば! もう、白亜も黒霧もそんなギャグやめてよね!?」


 愛羅まで加わり、言い合いをする私たち四人。

 挟まれた小林くんは、肩を縮めて小さくなっている。

 ――すると。


「もうあんたたち! いい加減にしろー!」


 とうとう堪忍袋の緒が切れたらしい、先生の絶叫が教室中に響いた。

 さすがの白亜と黒霧もビビったのか、痛そうに耳を抑えながらすごすごと一番後ろの自分の席についた。

 猫だから、聴覚が私たちよりも発達しているのかも……。

 というわけで、先生の怒りの一声によって、ひとまずその場は収まったものの。


「枝乃……。白亜くんか黒霧くんと結婚……? なんであんたはいつも私の邪魔ばっかり……!」