白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 黒霧は、私の席の隣の小林くんに向かって低い声で言い放った。


「え、え!?」


 転校生にいきなりすごまれた小林くん(温厚で優しい)は、あたふたしてしまっていた。

 かくいう私も、黒霧の意味不明な行動に慌てることしかできない。


「枝乃の隣は俺なんだよ。だからどけっつってんだ」


 戸惑う小林くんに、黒霧はさらに追い打ちをかける。

 な、ななな!

 何言ってんのこいつは!

 驚きのあまり、私は声も出ない。

 すると、さらに。


「え、そういうのありなの? だったら俺も枝乃の隣がいいなあ」


 白亜まで小林くんの前に立ち、のほほんとしながらもとんでもないことを言い出す。


「……! いやいやいやいや! そういうのなしだから! ダメに決まってんでしょ!」


 我に返った私は、やっとのことでそう言った。

 ふたりから圧をかけられている小林くんは、捨てられた子犬のように泣きそうな顔をしていた。

 ご、ごめん小林くん……!


「なんでだよ。別にいいじゃねーか席くらい」


 黒霧が露骨に顔をしかめて私に言ってきた。

 あーもう!