白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

「ちょっとー。転校早々みんなと仲良くするのはいいけど。うるさいよー」


 勝手に会話をし始めた生徒たちをたしなめるかのように、先生は眉間に皺を寄せて注意をした。

 だけど、教室内のざわめきは全然収まらない。

 白亜と黒霧の言葉を聞いた愛羅は、一瞬驚いたような表情をした後、勢いよく立ち上がって私に怒りの表情をぶつけてきた。


「嫁!? 一緒に住んでる!? どういうことよ!?」

「ちちちちちち、違うから! そそそそそそんなことあるわけないでしょ!?」


 とにかく否定しなければと、私はつっかえながらも必死で言う。

 愛羅に真実を知られるのも面倒だし、他のクラスメイト達に知られても変な噂が立ってしまう。

 現に、教室中が色めきだった様子で私に注目していた。

 だけど、黒板の前に立つ白亜と黒霧は、きょとんとした様子で私を見ていた。


「えー。枝乃、なんでそんなこと言うの?」

「嫁ってのも、一緒に住んでるのも本当のことだろうが」