白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

「無理な物は無理! 私のこと好きでも何でもない人と結婚なんてできないもん!」

「そういうものなの? 人間って」

「そうなの! 結婚には愛が大事なの!」


 私の言葉に不思議そうに首を傾げる白亜。

 もしかして、神になるためには勝手に結婚相手が決まる仕組みだから、この人(猫?)たちにそういう感覚ってないのかな。


「……めんどくせ」


 黒霧は、本当に面倒くさそうにそうぼやいた。


「とにかく! そういうわけで結婚は無理です!」

「ちっ……。んじゃ、とりあえず黄金の猫じゃらしだけよこせ。今回はそれだけで勘弁してやる」

「なんでそんなに偉そうなの……」


 命令口調で言う黒霧に、私はそんな突っ込みを入れる。

 本当に何様なんだろうか。

 あ、猫神様候補か。


「黒霧には持って行かせないって。まあ、だけど俺も黄金の猫じゃらしの実物は見たことがないし、一度見せて欲しいね」

「はあ、お見せするくらいでしたら……」


 白亜の要求を、お父さんが困った顔をしながら受け入れた。