白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

「まあ! あなたみたいなかっこいい子が義理の息子になるんなら、私としては結構嬉しいかも~!」


 白亜のキラキライケメンスマイルにノックアウトされたのか、お母さんが嬉しそうにとんでもないことを言う。

 って、ちょっと待ってよー!


「もう! 勝手に話を進めないでよー! 結婚なんてありえないから! 私まだ十三歳! 中学生だよ!?」

「猫神の結婚の相手には、十二歳の巫女もいたよ。千年くらい前だけど」

「そ、そんな平安時代の話! 今は令和です!」

「いいじゃねえか細かいことは別に。俺は猫神になりたいんだ。だから俺と結婚しろ」

「いや、俺と」

「しません!」


 ふたりのイケメンから、次々に結婚しろと言われる私。

 それだけを言葉にしたら、夢のような話だけど……。

 私はまだ結婚する気なんて無いし、こんな恋愛をすっ飛ばした結婚なんてありえないから!

 こんなプロポーズ、受け入れられるわけない!

 断固拒否した私に、白亜は苦笑を、黒霧は不機嫌そうな顔を向ける。


「なんだよ、往生際の悪い女だな」