白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

「そ、そんな乱暴な言い方する人には教えません」


 黒霧にすごまれて、思わずそう言ってしまう私。

 白亜も言っていたけど、黒霧って気性が荒そうだから神には向ていないんじゃない?

 落ち着いていて優しそうな白亜の方が、神っぽい気がするなあ。

 すると白亜が嬉しそうに笑う。


「うんうん、君が見る目はあるね。で、どこにあるの?」

「は? 勝手に話を進めんな。おい、巫女。勝手に白亜に黄金の猫じゃらしを渡しなんかしたら、許さないからな!」

「えっ、怖っ……」

「大丈夫だよ。俺が君を守るからさ。猫じゃらしと一緒に君も持ち帰って嫁にするんだからね」

「ふーん、そうなんだね。……って、え?」


 勢いで一度は頷いてしまった私だけど、白亜がとんでもないことを言った気がして固まる。


「持ち帰って、嫁……?」

「うん? だからさっきも言ったじゃないか。婚礼はいつにする?って」

「あ……!」


 そういえば婚礼とか結婚とか言ってたっけ!

 黒霧も「こいつが俺の嫁か」なんてことを言っていたし!