白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 結婚だとか嫁だとかは聞いてないし、本当に意味がわからないよ!


「あの……。あなたたち、なんなの一体?」


 黒霧は本当に猫神候補なの?

 そして婚礼だとか嫁にするだとか、どういうことなの?

 そんな疑問をまとめたつもりで、私はそう尋ねた。

 すると白亜が私の方を向き直って、にこりと優し気に微笑む。

 わわ、本当にこの子かっこいいよなあ……。

 なんて思ったことはひとまず置いといて。


「巫女だからてっきり事情は分かっているのかと思ったけど、どうやらそうじゃないみたいだね」

「全然何もわかりません」

「うん、そっか。じゃあ俺のことと、俺がここに来た理由を簡単に説明するね」


 白亜が私たちに説明したのは、こんな内容だった。

 自分は猫の国の王子(!)で、次期猫神候補なんだって。

 それで、次の猫神を決める時期になったから、伝説の通りにうちの神社に黄金の猫じゃらしを取りに来たんだそう。

 ――って、本当に伝説通りの話じゃん!

 猫の国の王子とか、猫神とか、現実の話だったの!?

 いや、そんなの信じられないんだけど……。