白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 だって、そうでもなければ昨日会ったばかりの人とこんな風に話せないよね。

 きっと、華ちゃんの心の奥では、目の前の男の子がいつもかわいがっていた猫の佐助だって、感じ取っているんだろうって思う。

 華ちゃん自身、それに気づいていないんだろうけど。


「……なあ。やっぱり歩く練習、難しいのか」


 佐助が真剣な顔になってそう尋ねると、華ちゃんはちょっと言いづらそうにこう言った。


「うん……。私には、難しい」

「そっか……」


 佐助は昨日の言動を後悔しているのだろう。

 さすがにそれ以上は言えないようだった。

 ――だけど。


「でも、もう一度やってみようかなって今思ったの」


 そう言った華ちゃんの微笑みには、後ろ向きな感じは一切なかった。

 強い意思が込められた瞳で、真っすぐに佐助を見つめていた。


「え……?」