白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~

 華ちゃんの力になりたいっていう佐助の思いが、物言わぬ猫の姿の時から、実は伝わっていたんじゃないかって、そう思えたんだ。


「……俺がその猫だよ」


 佐助はぼそりとそう呟いた。


「えっ」


 私が驚くと同時に、華ちゃんからも驚いたような声が漏れた。

 そ、それは言っちゃだめだよ佐助!

 と、焦った私だったけれど、そんな心配は無意味だった。


「なんて、嘘だけど」


 ニヤッと笑って少し意地悪く佐助が言う。

 ――なんだ、冗談かあ。

 安心した私だったけれど、きっと佐助としては「俺があの猫だよ」ってことは伝えたかったんだろうなあって、少し切なくもなった。

 華ちゃんは一瞬目を丸くしたけれど、おかしそうに笑った。


「もう~! 変な冗談やめてよ~」

「はは、俺が猫なわけなんてないじゃんか! 華は面白いこと考えるなあ」

「意地悪言わないで~!」


 仲のいい友達同士みたいに、笑って冗談を言い合うふたり。

 その姿を見て、やっぱり佐助が猫の時から、ふたりは心を通じ合わせていたんだなって私は思った。