「ハハハ。バレてないって思ってた?」

「え…」

「とっくに気づいてるよ」

「うそ…」


バレてた?

隠してるつもりだったのに…


「それに、相原ちゃんのお父さんの会社を助けるなんて、好きでないとできないでしょ?」

「そうなんですか?」

「あいつは、不器用のくせにわかりやすいからな」


と言って、懐かしそうに部長のいたデスクを見ていた。

「今までなら、黙って仕事しろって怒ってたよなーあいつ」

「そうでしたね。いつも怒られてました。バカ野郎って」

「それももう、聞けなくなるのか」


そう考えると寂しい気もする。

家に帰れば会えるんだけど。


「まぁ、気兼ねなく相原ちゃんと喋れるしよかったのかな?」

なんてね。って言って笑う真田さん。


ほんとは、すごく寂しそうにしているのを私は気づいていた。