「優愛…早く起きろ…いつまで寝ているつもりなんだ…」


どこからか声が聞こえる。

私のことを呼んでいる?

この声は誰なの…?


とても落ち着く声

愛おしい声…あ、夏夢さんだ。


「優愛…」

「…んっ…なつ、め…さ、ん」

「優愛?優愛っ!!」


目が覚めて夏夢さんを呼んだら、いきなり抱きしめられた。

とても痛い。


「夏夢さん、痛いです」

「黙ってろ。もう起きねぇのかと思った」


はい?どういうこと?

私、ちゃんと起きますけど?


「お前、1ヶ月眠り続けてたんだぞ」

「えっ!?1ヶ月???」


嘘でしょ?1ヶ月も??

そんなことってある?


最後の記憶は…警察官が来て、事情聴取されて

警察官が帰ったあと部長に手を握ってもらいながら寝たんだっけ…

それから1ヶ月も経ったの?


「心配した」

「すみません…」


夏夢さんがこんなに心配してくれるなんて、こんな時に思うのもどうかと思うけどすごく嬉しい。


「愛してます」


今すごく伝えたかった。

もっと伝えたいけど、さすがにと思い心の中で言い続けるだけにする。