楓様に手を引かれ、廊下をバタバタ走りながら、裕哉様の隣の部屋に入った。
楓様の部屋も裕哉様のと同じような広さだった。
でも裕哉様の部屋と違う点はピンクの壁、レースのカーテン、キラキラしたシャンデリアとか、可愛い物がとにかく沢山置いてあること…!
お金持ちの女の子は部屋も格段と可愛らしい。
「可愛い…」
私は思わず口から漏れてしまった。
「でしょ?」
楓様は無邪気な笑顔でそう言った。
そして私をベッドルームへ連れて言った。
ベッドルームもとても可愛くて、大きいベッドをレースカーテンが囲っていて、女の子なら誰もが憧れるお姫様のようなベッドだった。
「いずみくん、ベッドにあがっていいよ」
「かしこまりました」
靴を脱いでひょこっとベッドに上がる楓様。
私も靴を脱いで、楓様と私の靴をキチンと並べてから上がる。
「ふかふかしてるでしょ?」
「とってもふかふかです。羨ましいです」
「いひひ」
楓様は無邪気に笑った。
「なにするんですか?」
「じゃあね」
楓様はほんの少し「うーん」と考えると、
「秘密を暴露しちゃおっか」
「!?」
無邪気で子供っぽい楓様の顔が、一瞬にして妖しげな大人の顔に変わった。