私の番になった。
「失礼致します」
ドアを開けると真正面に大きい机が置いてあった。
そこに燕尾服を着た中年の男の人が座っている。
大きな机の前には、私がさっきまで座っていた物と同じ椅子が置いてある。
大きい机と、私が座る小さい椅子が、自分と向こうの力関係を強調してるみたいで。
なんだか汗がジワジワ出てきた…!
「座ってください」
「はい」
疲れた様な目をした男の人に促され、椅子に座る。
こうやって向き合うと、とても圧を感じる。
「藤咲泉と申しま「まだ名乗れと言ってません」
「すいません」
私は怒られて、少し目が合わせづらくなってしまった。
「紫桜院家の執事統括と、皐月邸の執事長をしている遠山です。お名前をどうぞ」
「はい。藤咲泉と申します」
遠山さんは何かを紙に書き込んだ。
「それでは面接を始めましょう」
無事にやり切れるか不安で不安で、なんだかおかしくなっちゃいそう…!

