ピーンポーン…


呼び出し音が響く店内。


「ただいまお伺いします!」


バイトに間に合った私は、呼び出し音を押した席へ向かった。


「お待たせしました!」

「注文いいですか〜、おっ」

「わ」


4人分のボックス席に1人、秋なのに半袖の白ワイシャツを着たショートヘアの女子高生。


「藤乃じゃん」

「沙耶じゃん」


私の中学で一番の親友、小柳沙耶(こやなぎ さや)がいた。

地元、東々(ひがしあづま)高校に通う沙耶はよくお腹が空いて、私のファミレスに通っている。


「今日部活は?」

「お休み〜だから今日は軽く食べるの〜」


ソフトボール推薦で入った沙耶は、1年にしてソフトボール部のエースと言われるくらい活躍している。

と中学時代の子から聞くけど、沙耶は照れて認めてくれない。


「藤乃そうだこれ、見て」

「なになに?」


私は沙耶の手元のスマホを見た。


「えっ、なにこれ」