「私も……大好きです!」


プレゼントを差し出す二人に志門くんは頭をポリポリと掻いて、


「ありがとう」


って素直に答えてた。


結果は、


「でも、付き合えないんだ。事務所で恋愛NGって言われてるから、ごめんね」


で、翼ちゃんとみずはの二人は泣いてたけど、肩を寄せ合って帰ってく姿は慰め合って立ち直れるって気がした。


「いや~でもびっくりしたよね」


一息ついたところで、春音くんが苦笑いを始める。


「隠れて見ていたのに、志門が告白を断ったらあみが急に飛び出そうとするから」


「なんで断るのよ! って激怒してたな」


なによ、蓮まで!


「だって、友達が振られたのよ! あんないい子たちなのに!」


「だからってぶん殴ろうとするか?」


「してないわよ! あたしはただ……」


「「ただ?」」


「ただ……、よくわかんないけど、友達二人が泣いてるのを見てたら、なんかこんちくしょうって思ったの!」


「やっぱりビンタしようとしてたんだな」


「止めるの大変だったね」


「ああ、今日一で疲れた」


「ちょっとなによそれ!」



後でリコちゃんに詳しく聞いた話だと、翼ちゃんが学校に来なかったのは、告白しようとしてみずはに見つかってケンカになったのが原因だったみたい。

決意したのに好きな人に想いを伝えられず、親友ともケンカ。
そんな状況じゃ、学校に行きたくなくなるよね。

あたしもいつか、大好きって言える人が出来たら、こんな事件が起きるのかはわからないけど、後悔はしないようにしようと密かに思うのでした。