もう会わなくなってから2年がたった時だった
あたしはおにぃの事全然忘れてなんかなくて
寧ろ他の男が寄ってきてもおにぃとばっかり比べてしまっていたそんな頃
地元の祭でたまたまおにぃと再開した
おにぃはあたしを見るなり目を見開いて
「すっげぇ可愛くなったな」
そう言った。
『当たり前じゃん』
皮肉っぽくそう言うとおにぃはこっちおいでと手招きして
人がいない路地裏にあたしを呼んだ
「彼氏できたか?」
いつの間にか持ってるタバコに火をつけた瞬間
大好きだったおにぃの匂いがして
少し泣きそうになった
『彼氏くらいできてるよ。すっごい大好きだし!』
涙を流さないように力いっぱいの笑顔を見せると
おにぃは少し悲しそうな顔をして笑った
「なんかむかつく!」
そんな嫉妬めいた言葉にもいちいちあたしの胸は高鳴っていた
『おにぃが付き合ってくれないからじゃん』
おにぃの目を見てるとそう言わずにはいられなかった
「ごめんな…」
そう言って頭をクシャッと撫でる
なにがごめんなの?
なんでおにぃはあたしを見てくれないの?
なんでこんなに優しくするの?
『おにぃよく分かんないよ…』
ためてた涙をぽろぽろ流しながら
おにぃの胸に飛び込んだ
2年も会ってないのに
連絡も取ってないのに
なんでおにぃじゃなきゃ嫌なんだろう
なんでこんなに好きなんだろう
でもきっと理屈じゃないんだよね
出会ったときから…
出会ってしまったから…
