学校の行き帰りも歩くけれど、
ランニングの時間はそれと違って
変わりゆく季節や、空気の匂いがより鮮明に分かる。

そして、
学校の勉強やテストや嫌な事を忘れて
すがすがしい気分になれる。



お気に入りのランニングシューズを履いて家を出発し、
まず近くの公園を目指す。

割と大きな公園で遊歩道が1周2kmに設定されていて、
ランニングにはちょうどいい。

遊歩道の脇に小さな可愛いカフェも最近できて、
休みの日なんかは、小さい子供連れでにぎわっている。

公園につくと、私と同じように
ランニングしている人がちらほら。

それに混ざり、私もランニングを開始する。

ランニングをしている間は、無心。
その言葉が本当にぴったりだ。

だけど、ふと
コウくんの顔が頭によぎる。

‥‥今日はバイトの日だなぁ。
頑張ってるかなぁ。

あんまり笑わないけど、
レンくんと2人の時には大爆笑とかするのかな。
見てみたい。

そんな事を考えながらランニングを続けていると
気づけば辺りは真っ暗。

「すっかり真っ暗になってる‥
 そろそろ帰らなきゃ。」