「実はね…お母さんは、お父さんの所に行くことになったの」
「え、パパのとこ?」
私のパパは今、カナダに単身赴任中だ。
一人でカナダに行ったはずなのに──ママがパパの所に行くって??
パパは、とても陽気な性格で愛妻家。
お前は親バカならぬ妻バカかってくらいだったから、寂しくなって「来い」とか言ったのかな?
ママはため息をついて、手紙をポケットから取り出した。
パパの文字で、『俺の愛する妻と子へ』と書いてある。
『俺の愛する妻と子へ
俺の愛する妻・郁子、たった一人の大切な娘・唯。元気にしているか?
パパはカナダで、頑張ってお仕事をしているぞ。
ただ、2人に会えないのが寂しいから、仕事があまり進んでないよ笑←
……ということで良い提案をしよう!
2人ともカナダに来ないか?』
「っはぁぁぁああああ!?」
私は、思い切り声をあげた。
