わたしなんてすげーの。現代文と社会と工業実習、平均点以上。やばくね?天才になったのかもしれない。

工業数理基礎ももう少しで平均を取れそうだったから悔しがっていたら菊井先生に「次は平均以上取れそうだな」って言われちゃった。すごい進歩だ。


ほかにも、いろんなことに目を向けるようになった。町を歩くとき、レッドボーイに乗りながら信号待ちしてるとき、目に入るものをよく気にするようになった。


動物は好きだから、ペットショップの店員さん…とか。

うさんくせーなって思ってたけど、占い師…とか。

マスターみたいにおいしいらーめんを作る職人になるのもいいかなとか。


いろいろ見すぎて血迷って旋盤やアーク溶接を使うような工場で働いたり、どうやらイワちゃんがなろうとしてる自動車を整備する人になるのもいいかな、なんて思ったりしたけど、やっぱりどうも機械を扱うのは怪我への恐怖に気を遣いすぎて疲れてしまう。

これが毎日、仕事となったらいくらわたしでも病むと思う。結果、排除。


こんな短期間でうまい具合にやりたいことが見つかるわけねーよな。

だからとりあえず今は、授業とバイトをがんばってる。


それでも進路希望調査の紙をいつまでも白紙で出すわけにもいかないよな…と悩める日々。

フクちゃん先生も心配しているのかみんなより先に面談もやらされた。決まってねーんだって。



だけど前よりはずっと、背筋を伸ばして歩けているような気がする。

それはまぎれもなく、あかねくんという、かっこいいと思えるひとと出会えたからなわけで。



やっぱりそろそろ……好きなひとに、会いたくなるわけで。

だからといってせかすように学校まで押し掛けるのはちがうよなあって、それもまた悩める日々。