「寝ちゃった?」

「そうみたいだな。」

「やっぱり…」

「なに?」

「声に反応していたんだと思う。
ほら、いつもお腹に話しかけていたじゃない? 
『あ、知ってる声だ。パパかな?』って。」

「…なるほど、話かけたら良かったのか。」

じっと黙ってにらめっこしてしまってた。
それにしても可愛い。
ずっと見ていても飽きないな。
すると、突然奏がヘラッと笑った。

「あっ! 笑った⁉︎ 」

「うん。笑ったね。新生児微笑って言うの。
別名『天使の微笑』とも言われている。
ホント、天使だよね〜。
でも、意味があって笑ってるわけじゃないそうよ。なぜ笑うのかは、まだ解明されていないんだって。
一説によると、ほら、見ていて可愛いじゃない? 
微笑まれると。可愛いとお世話を喜んでしてあげたくなるでしょう? 
庇護欲をそそるもんね。
新生児の時は、お世話してもらえるように微笑む機能が付いてるって言われているの。」

「はー。うまいこと出来てるんだな。」