「あ、優!」

「美衣子? どこかへ行くのか?」

やっとマンションにたどり着いて、オートロックを解除しようとしたら、中から美衣子が出て来た。

「連絡があってから、あまりにも帰りが遅いから何かあったのかと思って。探しに来たのよ。優、音消してるでしょう‼︎
何度もかけたのよ?」

そう言えば、職員室を出てからそのままになってた。

「悪い、悪い。切り替えてなかった。」

「もうっ!」

「それで、外に用はないの?」

「ないわよ。帰ってきたならそれでいいの。
ハァ〜〜、良かった。
………上に上がろう?」


心配をかけてしまった。
公園での出来事は不可抗力なんだけど、申し訳ない。
部屋に入ってテーブルの上を見ると、超音波エコーの写真が置いてあった。

「お! これ、今日のか?」

「うん! 
早く見せたくて実家には寄らなかったの。」

「そっか。ごめんな?
これ、顔と手か? 」

「うん。お顔を手で隠してるの。
可愛いよね〜。」

「前より大きくなってるのわかるな!」