「せっかくリボンを付けて来たのに見えなくなっちゃうわ。ほら見て。オレールにもらったリボンなのよ?」
コンスタンスがフードを脱いで、おさげの先に付けている青いリボンを指差した。

「うん、綺麗だね。コニーはどんな色でも似合うけど…、その美しい銀髪には、そういう色が特に似合うね」
「私この色が一番好きなの!だってオレールの綺麗な目の色と同じなんだもの!」
「貴女は…、どうしてこんなに可愛いのかな」
オレリアンがコンスタンスの頭を抱き寄せて髪にキスをする。
またコンスタンスはキャッキャとはしゃぐ。

「リボンだけじゃないわ!オレールが私にくれたものは全部宝物なの。このブローチもね、このブレスレットもね」
コンスタンスはポンチョの胸元を留めてある青い石のついたブローチや、やはり青い石で出来たブレスレットを見せた。
ヒース領でデートするたびにオレリアンが妻に買ってやったものだ。
田舎の街で買った安物ばかりだが、コンスタンスはとても気に入り、大事にしていた。

「私やっぱり青が好きだわ。オレールの色が一番好き!」「あー、もう。
コニーが可愛すぎて本当に誰にも見せたくない」
オレリアンは再び妻にフードを被せると、その上からギューッと抱きしめた。

「…俺たちは、いつまでこのイチャイチャを見せられるんだ?」
「さぁ。ダレルさんだって、いい加減慣れたでしょう?」
リアは涼しい顔で主人夫婦を眺める。
そして、こっそりと願った。
この平和な風景が、いつまでも続きますようにと。