「……」

夕焼けに染まる道を、日傘を差した男子高校生が歩いていた。風が吹いて、彼の白い髪を揺らす。

彼――真白(ましろ)は、アルビノだ。

「……明日も、学校……」

真白は立ち止まると、空を見上げると呟いた。

「……」

真白は、何となく辺りを見渡す。真白の近くでは、1人の男の子が蹲っていた。

「……どうしたの」

真白が声をかけると、男の子は顔を上げる。男の子の目には涙が溜まっており、辛そうに真白を見つめた。

「……」

男の子は、真白から目を逸らす。真白は、無表情で男の子を見つめた後、口を開いた。

「何で泣いてるの」

真白の感情のこもってない声に、男の子は再び真白に目を移す。

「……関係ないです」

「そう……」

真白は、そう返すと歩き出そうとした。

「あれ?誰かと思ったら、玄(げん)じゃねぇか」

真白が横目で見ると、男の子――玄と同じ制服を着た男の子たちが玄を見つめてる。

「……何しに来たの?」

玄の言葉に男の子は妖しく笑うと、玄に近づいた。玄は、怯えた顔を見せると震え出す。

「……待って……」

玄と男の子の間に入った真白は、無表情で男の子を見る。真白を見た男の子は、足を止めた。

「気持ち悪」