むすんで、ひらいて、恋をして

「アリスだって、高校卒業したら出ていくつもりだったんだろ。……俺が一足先に
出ていくだけだよ」



「それなら、私も一緒にいく」



「一緒に、どこに行くつもりだよ……」



「莉生がいるところなら、どこでもいい」



「ガキかよ。無理に決まってるだろ」



「だって、ひとりになっちゃうじゃん……ひとりに、しないって、ずっと一緒にいてくれるって言ったのに……」



莉生のパーカーの裾をにぎって、こんなこと言うなんて子供みたい。



恥ずかしいし、情けないし。



でも、莉生といると自分の気持ちを我慢なんてできない。