むすんで、ひらいて、恋をして

「キスして逃げるとか、どういうつもり⁈」



「は?」



あ然としている莉生に、視線を尖らせる。



「ちゃんと説明して」



「説明もなにも……。無理だろ。俺、お前のことを女として見てるんだから。


もう一緒には暮らせない。アリスとは、親友になんて絶対になれない。それより、今のは……」



「……私のこと、ひとりにしないって言ったのに!」



ぎゅっと唇をかんで、じっと莉生をにらみつける。